社長がわかる勘定科目名をつけましょう

会計・税務の仕事をしていると、「この勘定科目で合っていますか?」という質問を受けることがあります。

不特定多数の投資家などが決算書を見るような上場会社では、会社ごとに勘定科目の使い方が違うと投資家が混乱してしまいますので、どういった場合にどの勘定科目を使うのか厳密なルールがあります。その一方、中小零細企業の場合、勘定科目の使い方はさほど重要ではありません。要は最終の利益が正しく計算されていて、税法に則った税額が計算できれば良いのです。

中小零細企業にとって大事なのは、「社長が見てわかりやすい勘定科目の使い方になっているかどうか?」です。例えば、「水道光熱費」とう勘定科目がありますが、宿泊業など光熱費が多い業種では、「電気代」「水道代」「ガス代」にわけたほうが、前月比・前年比の比較がしやすく、異常値の発見などに役立つでしょう。

多くの会社では、売上については「売上高」という一つの勘定科目しか使っていませんが、売上は会社にとって一番重要な項目であり、これからどのような手を打って売り上げを伸ばしていくのかをイメージしやすい複数の項目にしたほうがよいです。売上の内容や主要得意先名をつけるようにするのが代表例で例えば「A商店売上高」「〇〇部門売上高」のようになります。これであれば、どこの得意先の営業を強化するか、どの部門にテコ入れをするのか将来の手を打つ資料として、月次決算書を活かすことができます。

勘定科目名は社長にとってわかりやすいか、自社の経営状況がイメージできるかを基準にオーダーメイドの名前をつけましょう。

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