請求金額をいつ入金してもらうか?

 

得意先に送った請求書に記載されている金額がいつ入金されるかは、

資金繰りをする上で最も大事なポイントです。

「本当に入金予定日に入金されるのか・・・」

「入金予定日より1日早く入金してくれれば、月末の支払いに回せるのに・・・」

このような悩みを抱える社長は少なくありません。

請求金額の入金日は、会社経営のキモと言っていいでしょう。

黒字倒産をする会社は、売上があがって利益は出ているのに資金繰りが回らない、つまり売上金の回収に問題を抱えています。

入金日をいつに設定するかは、次の順番で考えましょう。

 

1.前受金をもらう
仕事をする前に請求予定額をもらうことができれば、あとの回収や支払い予定額との調整を考えなくてすみます。資金繰り上、最も良い入金サイクルです。
例)喫茶店のチケット販売、交通機関の回数券、学習塾、学校の授業料、入金確認後発送の通販、保険会社の保険料も前受金に近い性質です。

 

2.着手金・頭金をもらう
請求額全額でなくても、着手金をもらうことができれば、その分を支払いに回すことができ、貸倒れのリスクも小さくなります。これから取引を開始するものの、信用に不安がある場合は、着手金をもらうことは有効な手段です。
例)建設工事の着手金、ホームページ製作等の着手金、車販売の頭金、弁護士報酬の着手金

 

3.納品と同時に現金回収をする
貸倒れのリスクがゼロで商売をすることができ、支払日まで毎日売上金の回収があるので、資金繰りが安定しやすいです。
例)スーパーなどの小売店、飲食店、理美容室、マッサージ店、代引き

 

4.掛けで回収をする。
日本のBtoBの商慣習は、月末締め、翌月末払いが最も多いです。

売上の締め・入金日を20日、支払いの締め・支払日を月末などにすれば、

売上金が先に入金されるので、資金繰りが楽になります。

入金日と支払日が同日の場合、当日になるまで入金予定額が入るかわからないので、

支払予定額分をあらかじめ準備する必要があります。

 

5.手形で回収する。
最も入金日が遅く、貸倒れのリスクが高い回収方法です。 銀行で手形を割ってもらう場合は手数料がかかってしまいます。 手形での支払いを提案された場合は、取引をするかどうかを含めて、よく考える必要があります。

 

大事なことは、

入金サイクルの話は、取引開始のタイミングでしかできないということです。

取引開始後しばらくして、入金日を早めてほしいとはなかなか言えないものです。

「わが社の回収条件はこちらになりますが、よろしいでしょうか?」と、

取引契約を結ぶか、書面を見せて確認をしましょう。

もちろん、得意先との力関係等があり、一筋縄ではいかないものですが、少なくともこちらの意思表示はできるはずです。何となく取引を始めてしまった場合、後で痛い目に合う可能性があります。

会社を守るために、社長が必ず押さえておくべき大事なポイントです。

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